1980年代から90年代にかけて、アメリカのスポーツファッションシーンにおいて絶大な影響力を誇った世界的ブランド「NUTMEG®」
NBA、NFL、MLB、NHLといった主要プロスポーツリーグとの公式ライセンス契約を通じ、チームロゴを大胆に配したグラフィックやアイコニックなフォント使いで、当時のスポーツウェアの概念を塗り替えました。
その時代を象徴するゆったりとしたリラックスシルエットは、スタジアムのみならずカレッジキャンパスやストリートシーンでも爆発的な人気を博し、ファッションとスポーツを融合させた先駆的な存在として君臨しました。
アメリカでの展開終了後も、その圧倒的なデザイン性と希少性は色褪せることなく、現在では価値あるヴィンテージピースとして世界中のコレクターから熱狂的な支持を集め続けています。
・CHIPPS COMPANY 坂元氏インタビュー
・東京ガールズ代表 柳下容子さんインタビュー

究極のベーシック・ボディーライン
ハワードが長年、USAコットン原綿を原料にオープンエンド(空紡)の紡績技術を用い、古き良きアメリカンTシャツならではの独特な風合いを持つ糸を紡ぎ、編み立て、縫製してきたノウハウを継承したNUTMEGのベーシック・ボディーライン。
「タフで壊れない」アメリカンTシャツ製造の伝統を受け継ぎ、USAコットンを使用した12番単糸の空紡糸によって、特有のドライな肌触りと洗濯を繰り返すほどに風合いを増す重厚な質感、そして圧倒的な耐久性を高次元で両立したプレーンな無地アイテムを展開します。
かつてニューヘイブンに存在した縫製工場が、米国縫製労働者組合「UNITED GARMENT WORKERS OF AMERICA® (UGWA)」のアプルーバル工場であったという歴史的背景を大切にし、「古き良きアメリカのクラフトマンシップ」と「職人の魂が宿るUNION MADEの精神」を現代に体現します。


デザイン・付加価値を追求したプレミアムライン
ハワードの卓越した企画力と加工技術を最大限に活用した、デザイン性と付加価値を重視するラインです。
ブランドの核心であるヴィンテージアーカイブの現代的再構築=「Throw Back Style」をさらに深化させ、まるで数十年もの時を経て受け継がれた本物の古着かのような、リアルな退色感や風合いを再現する高度な製品加工を施します。
さらに、ひび割れや掠れまで計算された緻密なプリントや重厚な刺繍、細かなディテールにこだわったアイテムを展開。「UCLA」「 HAWAII UNIVERSITY」「PEANUTS」といった世界的な著名ライセンスとの戦略的なコラボレーションも積極的に行い、NUTMEGが持つ豊かなヘリテージに新たな文脈と価値を創造することで、現代のストリートにおける確固たる地位を築きます。

1. 設立と成長
NUTMEG®は1980年代にアメリカ・コネチカット州で設立され、当初はスポーツアパレルを手がける小規模な会社でした。
創業者のマーティン(マーティ)とリチャード(ディック)のジェイコブソン兄弟は、もともと父親の会社であるMr. Panelsで働き、購買や販売のノウハウを学びました。その後、スポーツアパレル市場の成長に着目し、NUTMEG®を設立しました。
NUTMEG®創業の地コネチカット州ニューヘブンの地元はニックネームで「ナツメグ州」とも呼ばれています。この愛称がつけられたのは、初期の欧州からの移民がこの地でナツメグを栽培して販売していたことに起因します。これにちなんでNUTMEG®というブランド名がつけられたのです。また"NUTMEG"という単語はフットボール・ホッケー・バスケットボールなどのスポーツ競技で「股抜き」を意味するスラングです。まさにNUTMEG®がスポーツにちなんでつけられたブランド名であることを物語っています。
1990年代に入ると、スポーツリーグとの公式ライセンス契約を通じて急成長し、当時のスポーツファッションシーンをリードするブランドの一つとなりました。
同社は、マイケル・ジョーダンやホーレス・グラントなどのNBAスター選手を大胆なフォントやイラストでデザインした商品で知られ、1990年代のカレッジやストリートで広く見られました。その成功により、ニューヨーク証券取引所で急成長企業として注目を集めました。
2. 90年代の全盛期
NUTMEG®のアイテムは ゆったりとしたシルエット や ヴィンテージ風のグラフィックデザイン が特徴で、90年代のストリートファッションにも大きな影響を与えました。
NFLやNBAのチームロゴを大きくプリントしたスウェットやTシャツは、選手やファンの間で人気を博し、ストリートウェアの一部としても定着しました。
スポーツに関するアパレルだけでなく、大学チーム(カレッジスポーツ)のアイテムも手がけ、多くの大学生たちにも支持されました。
3. VFコーポレーションによる買収
1994年、ジェイコブソン兄弟はNUTMEG®をVFコーポレーションに売却しました。その後、2000年までにNutmeg IndustriesはVFの一部門として統合され、これにより、VFの傘下でさらに大きな展開を見せました。しかし2000年代に入ると徐々にブランドの存在感は薄れていき、NUTMEG®のブランドは事実上消滅しました。
現在、マーティ・ジェイコブソンはノースカロライナ州とフロリダ州に住居を構え、ゴルフを楽しむ生活を送っています。彼はまた、母校であるマサチューセッツ大学アマースト校に多額の寄付を行い、フットボールスタジアムのプレスボックス建設を支援しました。
現在の評価と日本の古着市場での人気
NUTMEG®のアイテムは、近年の 90年代リバイバルブーム の影響で、古着市場で再び注目を集めています。特に、日本の若者たちの間では「オーバーサイズなシルエット」「レトロなスポーツデザイン」が評価されており、NBAやNFLのヴィンテージTシャツ、スウェット などが高値で取引されています。
また、当時のNUTMEG®のアイテムは比較的生産数が多かったものの、状態の良いものは年々減少しており、レアなチームやデザインのものはプレミア価格 になることもあります。
日本では、ChampionやStarter、Logo7といった他のスポーツブランドと並んで、90年代ヴィンテージファッションの一部として人気が再燃 しているため、古着好きには要チェックのブランドとなっています。
